「おや?これは手湿疹かな?」
手湿疹とは聞くけど、自分では症状の判断に迷うことありますよね。
皮膚の病気は肌荒れや湿疹だけではないし、もしかして違う皮膚病?なんて心配になりますよね。
ということで、手湿疹の代表的な症状をピックアップしました!
手湿疹のよくある症状は、乾燥・ただれ・水疱(すいほう)の3つがあります。
そして、この記事では手湿疹と似た皮膚病についてもまとめました。
症状の特徴を知れば、適切な対処ができて治りも早いです。
「この症状は他の皮膚病かな?」と気になる症状があったら、あわせて読んでみてくださいね。
手湿疹のよくある症状3つ
手湿疹によくある症状は、乾燥・ただれ・水疱(すいほう)の3つです。
この3つの症状が出ている箇所には、かゆみもあります。
かゆみが弱いと無意識に触っている程度で掻いている自覚がありません。
なので、知らない間(自覚がない間)に症状が悪化して、
「うわぁぁぁ、いつの間にこんなにガサガサになった?かゆいし、痛いし私の手どうなっちゃった!?」と焦ってしまうわけです。
では、これらの3つの症状の特徴を見てみましょう。
乾燥
画像出典元:厚生労働省
特徴
皮膚の水分が失われて、角質が剥がれた状態です。
手全体がカサカサしていて、ところどこと皮がめくれてきます。
かゆみがあり、掻いているうちに角質が剥がれて、さらに乾燥を進行させます。
乾燥が進むと、指の股や関節がひび割れて、パクっと裂けることがあります。
また、掻き続けることで皮膚が傷つき、ただれも出てきます。
ただれ
画像出典元:独立行政法人労働者健康福祉機構
特徴
赤みと腫れ(皮膚の表面が少し盛り上がる)があります。
血がにじんでいたり、黄色い液(=滲出液(しんしゅつえき),リンパ液)が出ていて、ベタベタしています。
かゆみがあり、掻いた後は痛痒く、ただれがひどくなります。
水疱(すいほう)
画像出典元:独立行政法人労働者健康福祉機構
特徴
プツプツと小さな水疱ができます。
水疱の中は滲出液(=しんしゅつえき、リンパ液)が入っています。
掻くとつぶれて中から滲出液が出てきますが、ウイルス性じゃないので、患部が広がったり人に移ることもありません。
水疱が破れたところはただれて、ジュクジュクします。
手湿疹と間違えやすい皮膚の病気
手湿疹と間違えやすい病気には、汗疱(かんぽう)、水虫、ヘルペスがあります。
小さな水疱ができたり、皮膚がカサつく症状が手湿疹と似ています。
汗疱(かんぽう)
汗疱も湿疹の症状の一つです。
症状は夏によく出ます。手のひらや足の裏に小さな水疱ができます。
水疱がつぶれた後は、皮がめくれてガサガサします。
水疱ができるのは皮膚から汗が全部出ないで溜まってしまうためです。
汗疱の原因はよくわかっていませんが、汗と何かしらの成分が反応してアレルギーが生じて、かゆみや皮めくれになると考えられています。
汗疱は、ステロイドの塗り薬で治します。
ステロイドを1、2日塗ると治ってきます。かゆみや皮めくれが治るまでは一週間~10日ほどかかるので、どれ位の期間、薬をつけるかは症状をみながら皮膚科で相談しましょう。
水虫
手に水虫ができるのは、かなり珍しいことです。
水虫の菌である白癬菌(はくせんきん)は、感染力が弱く、菌がついたとしても洗い流せばすぐ取れるので繁殖はしません。
手のように一日何回も洗う箇所には、本来できにくいんです。
とはいっても条件が揃うとできちゃいます。
その条件とは、すでに足が水虫になっている時です。その足を触った手に水虫の菌がつくので手にも水虫ができます。
手水虫の主な症状は、カサカサした状態になります。角質に水虫の原因の菌である白癬菌(はくせんきん)が増えて乾燥するタイプのほうにかかりやすいです。
ただ、手水虫の症状にも小さな水疱ができるものもあり、手湿疹の水疱と迷うことがあります。
水虫の場合、ステロイドをつけても治りません。(変化はありません)
ステロイドを1、2日つけても改善されない時は、水虫かもしれないので早めに皮膚科に行きましょう。
ヘルペス
ヘルペスの菌は誰もが持っている菌です。
水ぼうそうや帯状疱疹もヘルペス菌の一種です。
ヘルペスにかかると水疱ができ、かゆみ(チクチクとしたかゆみ)があります。
治療は、皮膚科で塗り薬(抗ウイルス性薬)を出してもらいます。
ヘルペスはウイルス性なのでステロイドは効きません。
水疱の中の液体はウイルス性で、汁がつくと患部が広がります。
もしステロイドを1、2日つけていて治る様子がないなら、ヘルペスを疑いましょう。
すぐに皮膚科に行きましょう。
手湿疹の対策と治し方
手湿疹の原因は乾燥です。
私たちの皮膚は皮脂膜といって、皮脂と水分の混ざった保湿性のある油膜で守られています。
その皮脂膜が水仕事や洗剤など洗い流されてしまうと、肌のバリア機能がなくなり乾燥が進んで湿疹の原因になってしまいます。
まずは、皮脂膜が取れない工夫をしましょう。
→水や洗剤が直接手に触れないようゴム手袋すること!
次に、乾燥を感じたらまめに保湿をする。
→ハンドクリームや保湿クリームで油分と水分を補給し乾燥を防ぎます。
湿疹の症状(かゆみ、赤み、ただれ、水疱など)が出ている場合は、尿素が入ったクリームは避けましょう。しみたり刺激になる可能性があります。
症状が出ているときはワセリンがおすすめです。
ワセリンは低刺激で刺激から皮膚を守ります。
そして、ストレスを溜めないことです。
→ストレスは手湿疹にも影響します。
ストレスによって、肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)の周期が乱れると、肌荒れはなかなかよくなりません。
また、ストレスで体全体の免疫力が下がっていると、ちょっとした刺激に皮膚が反応してかゆみや赤みを引き起こします。
さて、手湿疹になってしまった時の治し方は、ステロイドの塗り薬を使います。
症状は軽いうちに適切な薬をつければ、重症化せず早く治すことができます。
そうすれば、ステロイドを使う期間も短くて済みます。
ステロイド入りの塗り薬は薬局で買えるので、薬剤師と相談して選んでくださいね。
手湿疹かそうじゃないかの判断に迷うときは、まず皮膚科に行きましょう。
手湿疹を画像で解説【よくある症状3選】のまとめ
- 手湿疹によくある症状
乾燥・ただれ・水疱の3つです。 - 手湿疹と間違えやすい皮膚の病気
汗疱(かんぽう)、水虫、ヘルペスです。
これらの皮膚の病気は小さな水疱ができたり、皮膚がカサつく症状が手湿疹と似ています。 - 手湿疹の対策
手を乾燥させないことが大切です。
1、水や洗剤に触る時はゴム手袋をする。
2、こまめな保湿。
3、ストレスを溜めないようにする。 - 手湿疹の治し方
ステロイドの塗り薬が効果的です。
薬局でも買えますが、手湿疹か他の皮膚病か判断に迷うときは、一度皮膚科で診てもらいましょう。
最後に
手湿疹の症状の特徴を知っていれば、症状が軽いうちに治療に取り掛かれるので、治りも早くなります。どれだけ早く症状に気づくかが鍵ですね。気になる症状はすぐにチェックしましょう。