寒いと食中毒は起こらない!?、ような気がして、食中毒への関心が薄れる冬場。
実は、冬に食中毒が多いって知っていましたか?
夏の食中毒は細菌性のものが多く、冬の食中毒はウイルス性のものが多いのです。
ウイルス性の食中毒の特徴を知らないと、自分自身で感染を広げてしまうこともあります。
今回は、冬に多発する食中毒の代表的なウイルスを取り上げて、原因と対策を紹介します。
原因がわかれば、食中毒は怖くありません。ぜひ、この記事を読んで食中毒対策の参考にしてください。
目次
冬に食中毒!?原因はコレだ!
食中毒というと、夏に起こるものというイメージですよね?
例えば、暑さによって傷んだ(腐りかけた)食べ物や菌の繁殖した食品を食べたことで、おなかをこわしたり、吐いたりする症状が出ます。
しかし、食中毒は一年中発生していて、しかも、冬に一番多い食中毒があるのです!
それが、ウイルス性の食中毒で、代表的ものがノロウイルスです。
ノロウイルスによる食中毒は、冬場のもっとも多く発生しています。
また、乳幼児の場合は、ロタウイルスに感染しやすいです。
ロタイウルスは、大人の場合、軽症で済むことが多いですが、乳幼児は、感染性胃腸炎(下痢、嘔吐、発熱などの症状)を引き起こします。
画像元:厚生労働省
上のグラフのノロウイルスの月別発生状況です。11月から2月にかけてノロウイルスによる食中毒が増えています。
ウイルス性食中毒の特徴3つ
冬にウイルス性の食中毒が多いのは、以下の3つの特徴によるものです。
・低温・乾燥した場所でも生きていくことができる(冬の寒さにも耐えられる)
・感染力が強い
・感染が広がりやすい
低温・乾燥した場所でも生きていくことができる
細菌性の食中毒には、乾燥や熱に弱いものがあります。
例えば、細菌性の食中毒のカンピロパクターは、熱に弱いので、加熱すれば防ぐことができます。
しかし、ウイルス性のノロウイルスは、乾燥しているところでも生きていくことできますし、少々の加熱では死滅しません。
鮮度がよくてさっと火を通しただけでも食べられるものでも、ノロウイルスが付いた食べ物を食べたら感染する可能性が高いです。
感染力が強い
ノロウイルスの場合、ウイルスが少量口から入っただけで感染します。
口から入ったウイルスは、人の消化器(十二指腸~小腸の間の腸管)で増え、下痢や嘔吐などの食中毒の症状を発症させます。
たとえウイルスの量が少なくても、体内で増えるところがノロウイルスの感染力が強いと言われるところです。
感染が広がりやすい
ノロウイルスは乾燥していても生きていくことができます。
ノロウイルスを含んだ吐しゃ物(=胃の内容物を吐いたもの)や便の飛沫(ひまつ=飛び散り)にどこで接触したかわからず、そのまま移動することで感染が拡大します。
例えば、ノロウイルスを含んだ吐しゃ物を片付けただけで、消毒をしていない場所を知らずに通った場合、靴にウイルスをつけ、移動するたびにウイルスを拡散させるかもしれません。
また、ホコリを一緒に舞い上がったノロウイルスが衣服に付き、運ぶこともあります。
食品の加熱を十分気をつけても、思わぬところで感染することがありますし、知らず知らずにウイルスを運んでいるため感染が広がりやすいのです。
冬の食中毒対策
食中毒の対策は、まず、手洗い・うがいです。
ウイルス性の食中毒の感染ルートは、人から人です。
手に付いたウイルスが口に体内に入らないように、
まず、手洗い。
そして、うがい。
食事の前やトイレの後、家に帰った時は、特にしっかり手洗いをしましょう。
そして、二枚貝を食べる時は十分な加熱しましょう。
ノロウイルスの感染経路の一つにに、二枚貝があります。
海にいる時にノロウイルスを体内に取り込んだ貝を食べると感染することがあります。
二枚貝を食べる場合は、貝の中心部分が85度以上になってから、90秒以上加熱調理しましょう。
冬の食中毒の原因はウイルス性の○○だった!?のまとめ
- 冬に食中毒!?原因はコレだ!
冬の食中毒は、ウイルス性の食中毒で、代表的なものにノロウイルスがあります。 - ウイルス性食中毒の特徴3つ
【低温・乾燥した場所でも生きていくことができる】
ウイルス性のノロウイルスは、乾燥しているところでも生きていくことできますし、少々の加熱では死滅しません。
【感染力が強い】
ウイルスが少量口から入っただけで感染します。ノロウイルスは、人の消化器(十二指腸~小腸の間の腸管)で増え、下痢や嘔吐などの食中毒の症状を発症させます。
【感染が広がりやすい】
ノロウイルスを含んだ吐しゃ物や便の飛沫(ひまつ)にどこで接触したかわからず、そのまま移動することで感染が拡大します。 - 冬の食中毒にならないための対策
まず、手洗い・うがい。食事の前やトイレの後、家に帰った時は特にしっかり洗いましょう。
次に、二枚貝を食べる時は十分な加熱しましょう。貝の中心部分が85度以上になってから、90秒以上加熱調理しましょう。
最後に
ウイルス性の食中毒は、低温や乾燥に強く、少々の加熱では死滅しません。
感染しないためには、手洗い・うがいをしっかりすることや感染経路を知ることが食中毒対策として有効です。