熱中症にかかった後、体がスッキリしないとかだるいとか漠然とした体調の不調を感じることはないですか?
それはもしかしたら熱中症の後遺症かもしれませんよ。
えーーーーっ!?熱中症で後遺症が出るの?どうやって治療する?と思った人けっこういると思います。
熱中症で後遺症が出ることはあまり知られていませんし、単に夏バテで体調が悪いくらいにしか思われていないかも。
熱中症の後遺症の治療は、時間をかけて体の回復を待つことです。その中で特に重要なのが体温の管理です。熱中症後の不安定になった体温をいかに一定に保つかが後遺症治療のカギです。
まずはこの記事を読み進めてもらって、気になる体の不調と熱中症の後遺症の症状をチェックしてみてくださいね。
熱中症の後遺症の症状
熱中症にかかった後、体が回復するまでに時間がかかります。
まず、熱中症の症状が治まるのに2~3日、体が回復するのに1週間くらいです。
そして、完治するまでは1~6か月かかります。
熱中症の後遺症には2つあって、治る後遺症と残る後遺症です。
治る後遺症
治る後遺症とは、時間と共に改善され消える症状です。
- めまい
- 頭痛
- 耳鳴り
- 体がだるい(倦怠感)
- 食欲不振
- 微熱
これらの症状は熱中症の症状が治まった後、1~3か月ほど続きます。
熱中症で自律神経が狂ったことで起こったと考えられます。
一度乱れた自律神経は戻るまでに時間がかかり、その間、体の不調が発生します。
熱中症の症状が治まってから数日経つのに、まだ吐き気がしたり手足のしびれを感じたりと熱中症のような症状が強く残る人もいます。
治るまでに意外と時間がかかって、不安になりますよね。
自分自身の体調を気づかい、いたわる、そんな時期だと思って過ごしてみてださい。
残る後遺症
残る後遺症とは、ある程度まで回復・改善はしますが、障害として残る症状です。
- 脳の中枢神経障害
- 腎障害
- 肝障害
熱の影響で細胞が傷つき、その機能が完全に回復しないと後遺症として残ります。
熱中症が重症なほど後遺症は残りやすいです。
腎臓や肝臓は熱の影響で細胞がダメージを受け、脳は熱以外にも多くの脳細胞を傷つけられる要因があります。
熱中症の後遺症で腎臓や肝臓の機能が完全に回復しないケースもありますが、主には脳の中枢神経の小脳障害です。
脳の中枢神経障害
熱中症で脳への障害が残りやすのは、熱が直接細胞を傷つけるだけではありません。
熱中症による中枢神経系後遺症は,熱による直接の神経細胞障害によってのみ生じるものではなく,過剰なサイトカイン,凝固異常による微小血管内血栓,血管内皮細胞の障害なども原因として挙げられている15)。これらの機序によれば,より広範囲の神経細胞障害を生じるため,高次脳機能障害や嚥下障害の発生に大きく関与しているものと考える。
出典:日本救急医学会
つまり、脳内の伝達物質が出過ぎていたり、血液が固まって血栓を作ったことなどが原因で脳細胞が多く傷ついたため障害が出たと考えられます。広範囲で脳細胞が壊れるために脳への後遺症が残りやすくなります。
熱中症による脳の中枢神経の小脳障害の主な症状
- 記憶障害
- 歩くときのふらつき
- 手足の力が入りにくい
- めまい
後遺症を治すには
治療といっても特別なものはなく、時間をかけて体の回復を待つのみというのが熱中症の後遺症の治療法です。
日常での治療
後遺症の治療は体温の管理です。
熱中症になったことで体温調節機能をコントロールする自律神経が乱れています。
そのため、暑さや温度差で体温が上がりやすく、また下がりにくくなっています。
暑さで不調を感じたら、すぐに休憩し体を冷やします。
体を冷やすといっても、熱中症を発症したきのような処置は必要ありません。
日常生活での体の冷やし方
- 首元をタオルでくるんだ保冷剤で冷やします。(なければ濡れたタオルでもOK)
- 濡れタオルで汗を拭く(服から出ている部分の首や腕や脚を拭きます)
病院での治療
病院での治療でも特別な治療法があるわけではありません(泣)
ただですね、病院だと後遺症の症状が緩和できる薬を若干出してくれることがあります。
めまいや耳鳴りの緩和になる薬や自律神経の乱れを治す漢方薬などあります。
病院に行けば薬がもらえるかというとそうではなく、症状や体調によるし、飲んだら必ずよくなるというわけではありません。
薬が効けば症状は軽くなるかもしれませんが、最終的な目標は体の回復です。
完治するまでは時間がかかるので、無理はせず十分な休養は必須です。
後遺症を出さないための対策
後遺症を出さないためには、まずは熱中症にかからないこと、そしてかかってしまったら、適切な対処で重症化させなことです。
- 熱中症にかからないために
こまめな水分補給と定期的に休憩を取ることです。 - 重症化させないさせないために
涼しい場所での休息
→木陰や直射日光を避けた場所、エアコンのきいた部屋での休息適切な水分補給
→経口補水液など塩分の適量入った飲み物を摂る効率的に体を冷やす
→首を中心にわきの下や足の付け根を冷やす
熱中症で後遺症が出た時の治療のまとめ
- 熱中症の後遺症の症状
熱中症の後遺症には2つ。
治る後遺症とは、時間がと共に改善され消える症状です。
残る後遺症とは、ある程度まで回復・改善はしますが、障害として残る症状です。 - 脳の中枢神経障害
脳への障害は、熱による直接的なダメージ以外に、脳内の伝達物質が出過ぎていたり、血液が固まって血栓を作ったことなどが原因で脳細胞が多く傷ついたため障害が出やすい。 - 後遺症の治療
後遺症の治療は、時間をかけて体の回復を待つことです。そこで重要なのが体温の管理です。暑さで不調を感じたら、すぐに休憩し体を冷やします。
病院での治療だと、自律神経を整える漢方薬などの薬を出る場合がありますが、無理は禁物で体は十分に休ませることが一番の治療です。 - 後遺症を出さないための対策
まずは熱中症にかからないこと、そしてかかってしまったら、適切な対処で重症化させなことです。
最後に
後遺症のケアは見落としがちです。熱中症を繰り返さないためにも体温の管理はとても大切です。体調がすぐれない時は、早め休養をすると同時に体温の上昇をチェックしましょう。