こんなに毎年暑いと心配なのは熱中症です。
暑さで眠れなかったり、食欲が落ちたりして夏バテ気味の体は熱中症にかかりやすくなっています。
「もしかして熱中症になってしまった!?」そんな時、対処にアレコレ迷ってしまうことはないですか?
熱中症になったら水分補給だけで食事はしなくていいのか疑問に思いますよね。
熱中症になったら、食事は無理にしなくていいです。体の機能が戻れば自然と食欲がわいてきます。そのタイミングで食べ物を口にすればいいんです。
この記事で熱中症の正しい対処を知れば、症状に合った対処ができ重症化することが防げます。熱中症から自分の身を守るだけでなく、いざというときあなたの家族や友人のためにも役に立ちます。
目次
見逃さないで!熱中症、軽度の症状
熱中症は軽度のうちに対処すれば、体の負担が少なく回復も早いです。
しかし、症状を見逃してしまいがちです。
熱中症の軽度の症状は、‘暑さによる単なる疲労’や‘体を動かしたことによる筋肉痛’と思い込んで放置してしまうことがよくあります。
例えばこんな感じの体の不調は熱中症の軽度の症状です。体の中では大変なこと起こっています!!
「何だかクラクラするなぁ。暑さのせいかしら?」
「あくびが止まらない。疲れたのかな?」
「足つっちゃった!運動張り切り過ぎてバテたかな」
さて、どのような症状があるか知っておくことで自分の体の調子に変化に気づくことができます。
熱中症の重症度は3つに分けることができます。
軽度
めまい、立ちくらみ、生あくび、顔面蒼白、脈拍が速く弱い
これらの症状は、熱失神と呼ばれていて皮膚の血管が広がることで血圧が低くなり、脳への血流が少なくなることで起きます。
大量発汗、筋肉痛・筋肉の硬直
これらの症状は、熱けいれんと呼ばれていて大量の汗をかいた時や水だけ補給して塩分を補給しなかったときに血液の中の塩分(ナトリウム)が低くなった時に起きます。
筋肉の硬直はこむら返り、いわゆる「足がつる」ことです。
中等度
頭痛、吐き気・嘔吐、下痢、全身の倦怠感、判断力や集中力の低下
これらの症状は、熱疲労と呼ばれていて大量の汗をかいたにもかかわらず水分補給が追いつかず体が脱水症状になることで起きます。
重度
意識障害、呼びかけや刺激への反応が鈍い、けいれん、体がガクガクと震える(ひきつけ)
これらの症状は、熱射病と呼ばれていて体温の上昇により脳の機能に異常をきたし、体温調節機能が失われた状態です。体温が高く、声をかけても反応が鈍い、意識障害が起こります。
軽度を見逃すと中等度に移行。中等度で体の不調を我慢して過ごすと重度になります。重度は生死にかかわる非常に危険な状態です。
暑さで体の不調を感じたら、我慢をせず休憩をすぐ取りましょう。
いかに熱中症の軽度の症状に気づくかが大切です。
嘔吐と吐き気の症状が出てたら要注意
熱中症の症状で嘔吐・吐き気には特に気を付けなければいけません。
なぜなら、水分を摂取しても嘔吐することで体の外に出てしまい水分が体に取り込めません。脱水症状が続けば体力はどんどん消耗し回復に時間がかかります。
嘔吐・吐き気があるという時点ですでに熱中症中等度であり、体の機能が回復しなけれが、重症になる危険性があります。
この症状が出ているときは、熱中症重度にならないように体の状態を注意深くチェックする必要があります。
こんなときはすぐに病院へ!!
熱中症の症状でこのような症状があった場合はすぐに病院に行きましょう。
病院にすぐ行こう
- 水を飲んでもすぐに吐いてしまい、疲労感が増す
- 嘔吐や吐き気がおさまらず、時間が経つにつれ体調が悪くなる
- 体に力が入りにくくなる
今すぐ救急車を呼ぼう
- 自力で水を飲むことができない
- 声をかけても応答しない
- 意識がない、もしくは意識がもうろうとしている
- 体がけいれんしている
救急車が到着するまでの応急処置は、体を冷やし続けることです。
冷やす箇所は、首、脚の付け根、脇の下などの太い血管の通ったところを重点的に冷やします。
子供の熱中症に早く気づいてあげよう
なぜ子供の熱中症は重症化しやすいのか?
熱中症は早期に気づいて対処することが重要です。
しかし、子供の熱中症は症状が進行してから気づくこと多いです。
さっきまで元気だったに、急にしゃがみこんで動かなくなった、いきなり吐くというのは子供によくみられます。
なぜそうなる前に大人が気づいてあげられないのでしょうか?
早期に気づけない理由は2つあります。
一つは、子供は体の不調を我慢してしまう。
遊びを優先したいために、めまいがしたり気分が悪くなったりしても我慢して遊び続けます。
二つめは、子供は体の不調をうまく説明できない。
めまいや立ちくらみがしても、子供は「ちょっと疲れちゃった」の一言で終わってしまいます。
では、子供の熱中症にもっと早くに気づくためにはどうしたらようのでしょうか?
子供の熱中症早期発見三カ条
- 子供の様子を常に気にかる
- 遊び時間を区切り休憩を入れる
- 時々声をかけ体調を聞く
少しでも気になる様子があったら、遊びはやめて涼しい場所で休ませます。
体調が回復したら家に帰って安静に過ごしましょう。
覚えておくと安心、熱中症にかかった時の対処法
熱中症は、軽度のうちに気づいて対処することで重症化するのを防ぎ体力回復が早まります。
あれ?熱中症かなと思ったたら・・・
熱中症の応急処置
涼しい場所に移動する
外であれば、木陰や直射日光を避けた建物の陰や屋根のついた場所
室内であれば、部屋を涼しく保ちます
衣服を緩める
首元のボタンやウエスト周りのホックをはずし衣服に風が通るようにします
靴や靴下を履いているときは脱ぎます。
できるだけ熱が逃げやすい格好にします。
水分補給
ベストなのは経口補水液ですが、スポーツドリンクでOKです。それもなければ、コップ1杯の水に少量の塩(ふたつまみくらい)を入れて飲みます。
経口補水液とは、塩分や糖分がすばやく体に吸収されるように調整された飲み物です。
体を冷す
濡らしたタオルで体を冷やします。
効果的な箇所は、首、脚の付け根、脇の下などの太い血管の通ったところです。
これらの適切な応急処置をして安静していれば、軽度の熱中症なら徐々に回復していきます。
飲み物が鍵を握る!?熱中症の時の水分補給の方法
熱中症にかかった時の水分補給にはポイントが2つあります。
- 何を飲むか?
一番よいのは、経口補水液です。
経口補水液は、塩分と糖分が体に吸収されやすい形で調合されているので熱中症の水分補給に最も適しています。
緊急の時は自販機などでもすぐ買えるスポーツドリンクで代用してもいいでしょう。
スポーツドリンクもない場合は、水で水分補給をします。このときに必ず塩分も一緒に摂取しましょう。水に塩を少し混ぜて飲みます。 - どのように飲むか
経口補水液、スポーツドリンク、水のいずれかを飲むにしても、一気に飲み干すのはNGです。
一気に水分が体内に入ると、血液中のナトリウム濃度(塩分)が薄まり、体は水分を必要としなくなります。これでは十分な水分補給ができません。
飲み物は、ゆっくりと一口ずつ、口に含むように飲みましょう。
熱中症の時に適した食べ物とは?食事の注意点は?
熱中症になったら食事を取ったほうがいいのか迷いますよね。
少しでも食べ物を口にしたほうがいいのでは?と不安になります。
熱中症にかかった時は、無理に食事をする必要はありません。
そもそも常に水分補給をしているので、あまり“おなかがすいた”とは感じません。
いつから食事はしたらいいの?
それは、体温が安定し体にしっかり力が入るようになってからです。
「おなかはすいてないけど、飲み物だけでは飽きた」と思うようなった時です。
このタイミングなら食事をしても大丈夫です。
では、何を食べる?
熱中症の時に適した食べ物
- ゼリーやプリン、ヨーグルトなど冷たくて口当たりのよいもの
- アイスクリームや玉子豆腐
- リンゴや桃、梨、スイカなどの果物
冷たくて口当たりのよい食べ物を食べるときは、量はいつもより少なく、時間をかけて食べます。
食事の時の注意点
体の機能が正常に戻れば基本何を食べてもかまいません。
食事の時に一番気を付けるべきことは量です。食事の量はいつもの半分にすること。
胃が空っぽの状態が長く続いたので、胃を食べ物に徐々にならすために量は少なめにします。
熱中症ケアのまとめ
- 軽度の症状に気づく
熱中症の軽度の症状は「単なる暑さによる疲れやふらつき」だと勘違いしやすいです。
少しでも体に不調を感じたら一度休憩を入れましょう。 - 嘔吐と吐き気は要注意
嘔吐と吐き気の症状はすでに中等度の症状です。
脱水症状が回復しないと重症になるので体調の変化を常にチェック。 - 病院に行くかどうかの判断
水を飲んでもすぐに吐いてしまい、時間が経つにつれ症状が悪化するときは病院に行きましょう。
意識がもうろうとしている、呼んでも返事がない場合はすぐ救急車を呼びましょう。 - 子供の熱中症を早期に発見するには
子供の様子をよく見て、時々体調を確認することが大切です。
子供は体調が悪くてもうまく説明できませんので、少しでも様子おかしいと思ったら、休息をとり安静に過ごしましょう。 - 熱中症にかかった時の応急処置
まず、涼しい場所に移動。そして水分と塩分を一緒に摂ることをお忘れなく。
水分補給は経口補水液がベスト、なければスポーツドリンクで代用します。
飲み物は、一気に飲まず、ゆっくり一口ずつ飲みましょう。 - 熱中症の時食事を取るタイミングと適した食べ物
熱中症の時は無理をして食べる必要はありません。食事を取るタイミングは「飲み物だけは飽きた、何か食べたい」と思うようになった時です。
まずはゼリー、プリン、ヨーグルトなどの冷たくて口当たりのよいものを少量ずつ、ゆっくり食べます。
体調が戻ったら、基本何を食べてもよいです。ただし量はいつもの半分程度にします。
最後に
熱中症への対処はとにかくスピードが大切です。
こういう時はどうするの?こうするの?と迷っている間に体調は悪化していきます。
正しい対処を素早くすることで症状の進行を防ぎ、体の機能回復を早めます。